物価が安くて魅力的な観光地の多いインドには、毎年世界中から数多くの観光客が訪れています。この記事を読んでいる人の中にも、これからインド旅行に行ってみたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、インド旅行は何も知らずに行くと危険が多いと知っていますか?この記事では、インド旅行はやめたほうがいい、やばい理由と治安情報を中心に解説します。
記事の監修者
インド旅行はやめたほうがいい・やばいと言われる5つの理由
インドと日本は文化や価値観が大きく異なるので、旅行に行くのはやめたほうがいいと考える人も少なくありません。インド旅行をやめたほうがいい理由を紹介します。
- 衛生的といえないトイレ
- お腹を壊しやすい
- ぼったくりが多い
- 睡眠薬強盗がある
- 女性はレイプ被害に遭う可能性がある
特に女性の一人旅はレイプ被害のリスクが上昇するので危険といわれています。
衛生的といえないトイレ
インドのトイレ事情は、初めて現地を訪れる日本人にとっては衝撃的です。公共のトイレは非常に汚く、悪臭が漂っていることも珍しくありません。
また、インドのトイレにはトイレットペーパーが備え付けられていないことが多く、うっかりトイレに入ってしまって困ったという話をよく聞きます。インドの人々は手で拭く習慣があるため、トイレットペーパーの必要性を感じていないのです。
さらに、トイレの数が圧倒的に不足しているため、道端で用を足している光景を目にすることもあります。特に女性にとっては、衛生面や安全面での不安が大きいでしょう。
トイレ問題は、インド旅行をやめたほうがいいといわれる理由の1つです。
参照:インドのトイレ事情|インド式トイレの使い方や問題点を解説
お腹を壊しやすい
インドの食事は大量の油や香辛料が効いた料理が多いため、お腹を壊しやすいといわれています。現地の水道水は消毒が不十分で飲用に適さないため、ミネラルウォーターを購入する必要もあります。
しかし、露店で売っているミネラルウォーターは水道水を入れただけのものが出回っていることもあり、注意が必要です。
また、屋台の食べ物は衛生面に不安があるため、日本人は避けたほうが無難でしょう。インド旅行では、デリーベリーと呼ばれる下痢に悩まされる旅行者が後を絶ちません。
現地で薬を調達したり病院で治療を受けたりする可能性があるので飲食する場所は厳選する必要があります。
ぼったくりが多い
インドでは、外国人旅行者を狙ったぼったくりが多発しています。タクシーやオートリキシャの運転手が途中で料金を吹っかけてくるケースや、土産物屋が法外な値段を請求してくるケースなどが報告されています。
日本人はインド人に「お人好し」と見られがちなので、特に狙われやすいのが懸念点です。
物を買う際は現地の物価を把握して値段交渉に臨む必要がありますが、言葉の壁もあるのでスムーズにいきません。ぼったくりのトラブルに巻き込まれないためには、信頼できるツアー会社を利用するのがおすすめです。
睡眠薬強盗がある
インドでは、睡眠薬強盗に注意が必要です。列車や飲食店などで知らない人から飲み物をもらって飲むと、睡眠薬が入っていて意識を失ってしまい、目が覚めると荷物が全て盗まれていたというニュースが度々報道されています。
特に女性は強盗だけでなく性被害に遭う可能性も高いので、見知らぬ人からの飲食物は絶対に受け取らないようにしましょう。
また、夜行列車に乗る際は貴重品を肌身離さず持っておくか、チェーンを使って柱と荷物を結び付けておく必要があります。ホテルの部屋でも、スタッフを信用しすぎないように注意しましょう。
女性はレイプ被害に遭う可能性がある
インドでは女性に対するレイプ事件が多発しています。2012年にはデリーで女子学生が集団レイプされて死亡する事件が起き、世界中に衝撃が走りました。
その後もインドではレイプ事件は後を絶たず、女性の一人旅は非常に危険だといわれています。特に女性が夜間に1人で出歩くことは絶対に避けましょう。
また、ノースリーブやミニスカートなどの露出の多い服装や、ボディラインが出てしまう服装を控えめにするなど対策が必要です。インド旅行では、現地の男性から強い視線を向けられることがありますが、目を合わせないようにするのがトラブル回避のコツです。
参照:インドでレイプ事件が多い原因は?過去の事例と5つの対策についても解説
インドで治安が悪い場所
外務省は、インド全土を危険レベル1(十分注意してください。)と定めています。その中でも、特に治安が悪い場所を紹介していきます。
ジャンム・カシミール準州及びラダック連邦直轄領
インド北部のジャンム・カシミール州は、危険レベル4(退避してください。)に指定されています。
ジャンム・カシミール州では、インドとパキスタンが領有権を主張し合っている地域で長年にわたって紛争が続いています。1990年代には、武装勢力によるテロ活動が活発化し、多くの観光客が犠牲になりました。
現在でも軍や警察による厳重な警備体制が敷かれており、一般の旅行者の立ち入りは制限されています。治安情勢は刻一刻と変化するため、外務省の海外安全情報を確認し、渡航の是非を慎重に判断する必要があります。
北東部諸州
インド北東部にある以下の州は、危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)に指定されています。
- マニプール州
- アッサム州(グワハティ市を除く地域)
- ナガランド州
- メガラヤ州(東カシ・ヒルズ県、リボイ県、西ジャインティア・ヒルズ県、東ジャインティア・ヒルズ県を除く地域)
特に、ナガランド州やマニプール州では、民族独立を求める過激派組織による武力衝突が発生しています。2015年8月には、最大勢力のナガランド民族社会主義評議会イサク・ムイバ派とモディ首相の間に和平合意が締結されたという発表がありましたが、その後も大きな変化は見られていません。
一方、アッサム州では、イスラム系移民の増加に伴う民族対立が深刻化しており、暴動が発生するリスクがあります。これらの地域への渡航は、外務省からも注意喚起が出されています。
中・東部諸州
インドの中部から東部にある以下の州は、危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)に指定されています。
- マハーラーシュトラ州東部地域ガドチロリ県
- ゴンデア県及びチャンドラプル県
- アンドラ・プラデシュ、テランガナ、オディシャ、チャッティースガル各州の高原奥地
- ジャールカンドおよびビハール両州の農村地域
特に、ビハール州やジャールカンド州、チャッティースガル州は貧困率が高い地域とされ、カーストの最下層に属する人々が多く住んでいます。これらの地域では、ナクサライトと呼ばれる極左過激派が活動しており、政府や警察との武力衝突が頻発しています。
2010年12月にはチャッティースガル州で鉄道が爆破され、多くの死傷者が出ました。これらの地域では、カースト差別に基づく暴力事件も多発しています。
旅行者が巻き込まれるリスクは低いものの、十分な注意が必要な地域です。
デリー
インドの首都デリーは世界でも有数の大都市ですが、治安が悪いことでも知られています。特に、観光客が集中する旧市街や中心部のコンノート・プレイスでは、スリや置き引きが多発しています。
人混みの中を歩く際は、貴重品の管理に十分注意しましょう。
また、タクシーやオートリキシャのぼったくりにも注意が必要です。メーターを使わない、遠回りをするなどの手口が報告されています。深夜の一人歩きも絶対に避けたほうがいいでしょう。
デリーについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参照:インドのニューデリーについて解説!|デリーの違いと進出についても
女性がインド旅行する際の注意点
女性がインド旅行する際は、以下の注意点を理解しておく必要があります。
- 飛行機の選び方
- ホテルの選び方
- 交通手段の選び方
特に、治安のいい地域でホテルを選ぶことは、犯罪に巻き込まれないために重要です。
飛行機の選び方
インド旅行を計画する際は、まず安全性の高い航空会社を選ぶことが重要です。インド国内には多くの格安航空会社が乱立していますが、インド旅行に慣れていない女性はJALやANAなどの日系航空会社を利用しましょう。
客室乗務員のサービスや機内の質が安定していて、安心してインドへ旅立てるためです。直行便を選べば、乗り継ぎのストレスも避けられます。
また、夜間の到着便は身の危険があるため避けたほうが無難です。空港から市内までの移動は明るい日中に行うようにチケットを予約しましょう。
ホテルの選び方
インドのホテル選びでは、値段よりも立地と安全性を重視することが重要です。できるだけ観光地に近く、夜間の移動が少ないホテルが理想的です。
ガイドブックや旅行サイトのクチコミを参考にしながら、安全なホテルを予約しましょう。値段の目安としては、10,000ルピー(約18,200円※1ルピー1.82円換算)以上のホテルはセキュリティが比較的しっかりしています。
また、ホテルのセキュリティ対策も確認が必要です。24時間体制の警備員が常駐しているか、監視カメラが設置されているかなどのチェックが必要です。女性専用フロアがあるホテルが予約できれば、より安心して宿泊できます。
交通手段の選び方
インドの交通事情は劣悪で、道路はひどく混雑し、交通ルールがほとんど守られていません。一般のタクシーやオートリキシャは、ぼったくりや犯罪のリスクが高いためできるだけ避けたほうが無難です。
移動する際は、ホテルが手配する専用車を利用するのがおすすめです。運転手の身元がはっきりしており、安全性が高いためです。
また、Uberなどの配車アプリを利用するのも効果的です。ドライバーの情報が確認できる上にGPSで位置情報も把握できるため、比較的安心して利用できます。
Uberを利用する際は、支払いはクレジットカードよりも現金が好まれます。万が一ピッタリな手持ちがない場合、少し多めに渡してあげると喜ばれるでしょう。
インド旅行を安全に楽しむために必要な物
インド旅行を安全に楽しむためには、以下の準備が欠かせません。
- 海外旅行保険
- e-SIMやポケットWi-Fi
- 防犯グッズ
- 除菌グッズと常備薬
- 薄手の毛布
特に、海外旅行保険は様々なリスクを補償してくれるので必須です。
海外旅行保険
インド旅行では思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあるため、必ず海外旅行保険に加入しておく必要があります。病気やケガ、盗難、交通事故などの事態に備える必要があるためです。
特に、医療費は保険の都合で高額になる可能性があるため、十分な補償額の保険を選ぶことが重要です。
また、盗難や紛失に備えて、貴重品にも保険も付けておくといいでしょう。クレジットカードに付帯している保険を利用するのもおすすめです。
海外旅行保険はエイチ・エス損保や東京海上日動などで取り扱っているので、出発前に契約を済ませておきましょう。
e-SIMやポケットWi-Fi
インドでは日本から持参した携帯電話は基本的に使えません。そこで、現地でインターネットを使用するために、e-SIMやポケットWi-Fiを用意しておくことをおすすめします。
e-SIMを準備しておけば、現地でSIMカードを購入しなくても手軽に通信環境を整えられます。また、データ通信だけでなく音声通話に対応しているタイプもあるため、緊急時の連絡手段としても重宝します。
ネット環境があれば地図アプリや翻訳アプリも利用できるので、旅行がより快適になるでしょう。
防犯グッズ
インドではスリや置き引きのリスクが高いため、防犯対策は必須です。
まず、荷物は体の前で持つようにし、貴重品は分散して持ち歩くことが重要です。パスポートやクレジットカード、現金は肌身離さず持ち歩くか、ホテルの金庫に預けるのもよいでしょう。ウエストポーチやマネーベルトを活用するのも効果的です。
さらに、防犯ブザーや護身スプレーを携帯しておくと、いざというときに役立ちます。防犯ブザーや護身スプレーは飛行機には持ち込めないため、現地で購入する必要があります。
除菌グッズと常備薬
インドは衛生環境が良好とは言えないため、除菌グッズは必須です。アルコール消毒液やウェットティッシュを携帯し、飲食時以外もこまめに手を拭くようにしましょう。
また、歯ブラシを清潔に保つために、携帯用の歯ブラシキャップも重宝します。万が一の体調不良に備えて、常備薬も忘れずに持参しておくと安心です。
下痢止めや整腸剤、解熱鎮痛剤、絆創膏など、旅行中に必要になりそうなものは一通り揃えておきましょう。女性であれば生理用品も必要です。現地で手に入るとは限らないため、必ず持参しましょう。
薄手の毛布
インドの列車は、冷房が強くて寒いことが多いのが特徴です。特に夜行列車では、毛布が必要になります。
しかし、列車で配られる毛布は清潔とはいえないため、自分で薄手の毛布を持参することをおすすめします。コンパクトに収納でき、かさばらないものがいいでしょう。
また、ホテルのタオルを持参するのも効果的です。列車の中で汗をかいたときなどに便利です。寝袋を持参する旅行者もいますが、かさばるのでおすすめできません。毛布とタオルがあれば、寒い列車内でも十分に対応できます。
参照:インドの電車はドアが開けっぱなし?チケットの予約方法と注意点も解説
インド旅行でおすすめの観光地3選
インド旅行はやめとけというテーマで解説を行ってきましたが、インドには魅力ある観光地が多いのも事実です。インド旅行を計画している人向けに、おすすめの観光地を選びました。
- タージ・マハル
- チェンナイ
- バンガロール
特に、世界遺産にも指定されているタージ・マハルは、人生で一度は訪れてみたい場所と多くの人にいわれている名所です。
タージ・マハル
インドを代表する世界遺産であるタージ・マハルは、世界中の観光客を魅了し続けている観光スポットです。ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルのために建設した総大理石の霊廟で、その美しさは世界各国で称賛されています。
特に、朝日に照らされた幻想的なタージ・マハルの姿は感動的です。朝は観光客も比較的少ないので、ゆっくりと観光を楽しめるでしょう。
また、満月の夜にライトアップされた姿も幻想的で美しいと人気です。タージ・マハルの敷地内は広いので、ゆっくりと見学する時間を取りましょう。
タージ・マハルの魅力については、以下の記事で詳しく解説しています。
参照:インドのタージ・マハルの魅力スポット紹介!歴史と魅力や観光での注意点も解説
チェンナイ
インド南部タミルナードゥ州の州都チェンナイは、長い歴史を持つ港町で、英国統治時代の面影を色濃く残しています。市内中心部にあるセント・ジョージ要塞は、英国東インド会社が築いた要塞で、教会や資料館も併設されています。
また、マリーナ・ビーチはインド最長のビーチとして知られ、夕暮れ時にはたくさんの観光客が訪れる場所です。チェンナイは比較的治安が良く、南インド料理を楽しめるスポットとしても人気です。
レストランやカフェが立ち並ぶティーナガーエリアは、おしゃれな雰囲気で若者に人気のスポットです。
参照:インドのチェンナイの過ごしやすさや観光スポットを紹介!進出面についても解説
バンガロール
インド南部カルナータカ州の州都バンガロールは、IT産業の中心地として知られ「インドのシリコンバレー」と呼ばれています。市内にはインド最大規模のIT企業が集積し、近代的なオフィスビルが立ち並んでいます。
また、市内中心部にあるキューバンパークやバンガロール宮殿など、見どころが多いのも特徴です。バンガロールは治安面でも比較的安定しており、初めてインドを訪れる旅行者にもおすすめです。
バンガロールについては以下の記事で詳しく解説しています。
内部リンク:【進出必見!】インドのバンガロールを解説!進出をおすすめする理由も紹介
まとめ:インド旅行は危険もあるがやめたほうがいいには疑問
インド旅行はトイレや食あたりなどの問題、スリやぼったくりの被害、レイプ事件などがあるのでやめたほうがいいといわれています。特に、女性のインド旅行は犯罪に巻き込まれる可能性が高くなるので十分に注意しましょう。
しかし、インドには歴史ある観光名所や、経済発展にともなう大都市などの魅力もあります。これからインド旅行を予定している人が安全に旅行できる情報を解説しているので、本記事を読んで楽しい旅にしてみてください。
個人的な経験では、「暗い時間に怪しい場所に行かない」だけでかなりリスクを減らせると思います。私は住んでいたエリア(Kalkaji/デリー南東)やインド国内旅行中に騙されたり危ない目にあったことはありませんでした。場所と時間に気をつけ、インド旅行を安全に楽しみましょう!