ナマステ!元インド留学生のKanaです。
インドでヨガインストラクターの資格を取得した際、瞑想の講義がありました。一般的にヨガは体の動きのイメージが強いかと思いますが、ヨガで瞑想を扱うのは、Body(身体)、Mind(心)、Spirit(精神)の三位一体という考え方があるためです。この三要素を調和させることが、ヨガの本質であり、身体的な健康だけでなく、心と精神の調和を重視します。
この記事では、代表的な瞑想法とその実践方法を紹介します。
記事の監修者
瞑想とは
瞑想は、心を整え、自己理解を深めるための実践で、多くの種類があります。瞑想といえば、座って目をつぶるイメージが一般的かと思いますが、その他にもさまざまなアプローチがあります。
マントラ瞑想
特徴
音や言葉(マントラ)を繰り返し唱えることで、集中力を高め、深い精神的な平穏を得る瞑想法です。特にサンスクリット語のマントラが多く使われます。
方法
- 静かな場所に座り、目を閉じる。
- 自分にとって心地よいマントラ(例:「オーム」や「ソーハム」など)を選ぶ。
- マントラを心の中で、あるいは小さな声で繰り返す。
- 他の思考が浮かんできても、それを手放してマントラに戻る。
呼吸に集中する瞑想と同じく、マントラを唱えることに集中することで、「いま、ここ」に意識を向けます。
寝る瞑想(シャバアーサナ瞑想)
特徴
シャバーサナ(屍のポーズ)を取りながら行う瞑想で、身体と心を深くリラックスさせることを目的とします。
方法
- 仰向けに横たわり、体をできるだけリラックスさせる。
- 目を閉じて、体全体に注意を向ける。
- 頭の先から足先まで、体の各部分をスキャンするように観察する。
- 呼吸に集中しながら、リラックスをさらに深める。
体のスキャンは、「指先を少し動かしてみて動く感覚を味わう」、「呼吸で肺が広がる感覚を味わう」、「足先が布団に触れている感覚を味わう」、など体の部位を順番に注目し、どのような感覚かを、ただ観察します。
とてもリラックスできる瞑想方法で、就寝前におすすめです。そのまま寝落ちてしまうと、とても気持ちが良いです。
踊る瞑想(ダンシングメディテーション)
特徴
体を自由に動かすことで感情を解放し、内面的な気づきを深める瞑想法です。エネルギーの流れを感じながら行います。
方法
- 自然なリズムの音楽をかけ、静かなスペースを確保する。
- 音楽に身を任せて自由に体を動かす。不安がなければ目を閉じる。
- 動きに決まりはなく、自分が感じるままに動く。動きながら体や心の感覚を観察する。
- セッションが終わったら、静かに座って余韻を味わう。
私はヨガ修行の一環で体験しましたが、はじめは気恥ずかしさがあり、心を解き放てませんでした。
観察する瞑想
特徴
物事を判断せずに観察する練習を通じて、心の平和を得る瞑想法です。ヴィパッサナー瞑想にも近いですが、より広範な観察を含みます。
方法
- 座るか立った状態で、静かな場所で始める。
- 身の回りの音、匂い、光、風などをそのまま観察する。
- 自分の心に湧き上がる思考や感情も同様に観察する。
- 何も固定せず、ただ流れに身を任せる。
呼吸に集中したり、体を観察する瞑想よりも観察の範囲が広いのが特徴です。
食べる瞑想
特徴
食べる瞑想(Mindful Eating Meditation) は、食事を通じて現在の瞬間に意識を向ける瞑想の一種です。食材の香り、味、食感などに注意を払い、食べることそのものを深く体験することで、心と体のつながりを感じる練習です。この瞑想法は、ストレス軽減や過食防止、食事への感謝の気持ちを育むために役立ちます。
方法
- 静かな環境を整えます。
- 食べる前に、見た目や香りを観察します。
- 1口ごとにゆっくり噛みながら、味わいが広がる感覚や、噛む音、飲み込む際の感覚に意識を集中します。
- 食べ物が届くまでの背景や作り手に感謝を感じながら食事を楽しみます。
食事に完全に集中することで、日常生活での「無意識の食べ方」から抜け出し、とても満足感の高い食事を体験できます。目をつぶりながら食べると、食べ物を味わう感覚により集中するできておすすめです。
インド発祥:ヴィパッサナー瞑想
ヴィパッサナー瞑想とは、インドに起源を持つ伝統的な瞑想法で、仏教の教えに基づいています。その歴史は2,500年以上前にさかのぼり、釈迦(ガウタマ・ブッダ)によって体系化されました。この瞑想法は、心を静め、現実を深く洞察することで、心の平和と自由を得ることを目的としています。
特徴
「物事をあるがままに見る」という意味を持ち、自己観察を通じて内面的な洞察を得ることを目的とします。特に無常、苦しみ、無我という三法印を体験的に理解するための瞑想法です。
方法
- 静かな場所で座り、目を閉じる。
- 呼吸に意識を向け、自然なリズムを観察する。
- 次第に体の感覚(温かさ、痛み、痒みなど)や心の動きを観察する。
- 感情や思考が現れたら、評価せずにただ観察し、また呼吸に戻る。
日本でヴィパッサナー瞑想を体験できる施設
ご紹介したヴィパッサナー瞑想を体験できる施設は、日本に2か所あります。それぞれ、10日間の合宿コースを定期的に開催しており、瞑想の初心者から経験者まで参加可能です。
千葉ダンマーディッチャ
千葉県長生郡睦沢町に位置し、自然に囲まれた静かな環境で瞑想が行えます。JR外房線茂原駅からアクセス可能です。センターでは約60名が参加できるコースが提供されています。
千葉ダンマ―ディッチャ
・住所 :〒299-4413 千葉県長生郡睦沢町上之郷 785-3
・アクセス :JR外房線茂原駅からバスで20分
・公式サイト:https://adicca.dhamma.org/ja/the-chiba-centre/
京都ダンマバーヌ
京都府船井郡京丹波町にある施設で、自然豊かな環境で瞑想に集中できる場所です。
京都ダンマバーヌ
・住所 :〒622-0324 京都府船井郡京丹波町 八田岩上奥2-1
・アクセス :大阪、京都、神戸から約1、2時間
・公式サイト:https://bhanu.dhamma.org/ja/the-kyoto-centre/
どちらのセンターも寄付によって運営され、参加費は無料です。合宿に参加する際は、事前登録が必要で、オンラインで申し込みを受け付けています。
やってみよう!瞑想の実践
私が実践している瞑想をご紹介します。
朝の公園に行く
日の出の時間に合わせて公園に行きます。瞑想する場所を決めます。
タイマーをセットする
5分のタイマーをセットします。
毎回5分と決めて瞑想を実践すると、日によって感じ方に変化があることに気づきます。「まだ終わらないかな」と感じる日もあれば、「5分があっという間」と感じる日もあります。
目をつぶり、瞑想する
タイマーを開始し、目をつぶります。
「朝日がまぶしいな」「バイクの音がするな」「今日は風が強くて寒いな」と、自分の身の回りのことをありのまま感じます。
タイマーが鳴ったら瞑想を終える
タイマーが鳴ったら、静かに目を開けます。瞑想を続けると、「思考を眺める感覚」「なにも考えない感覚」がつかめてくるでしょう。
瞑想を続けるポイント
- 結果に執着しない:思考から離れよう!などと意気込まず、ありのままを感じましょう。
- 自分に合った方法を見つける: いくつか試してみて、自分にしっくりくる瞑想法を選びましょう。
- 日々の習慣に取り入れる: 1日5~10分でも良いので、毎日続けることが大切です。
いろんなアプローチがありますが、瞑想の本質は「いま、ここ」に意識を向けることです。これにより、「過去への執着」や「未来への不安」から解き放たれ、心の平穏を目指します。
瞑想は、忙しい日常の中で心をリセットし、より豊かな人生を送る助けになります。ぜひ、自分のペースで試してみてくださいね!