サリーは、女性が身につけるインドの民族衣装です。華やかな見た目が特徴で、色とりどりのカラーがあります。そんなサリーは、どのようなシーンで身につける衣装なのか、わからない人もいますよね。
そこでこの記事では、インドサリーの基本情報を解説しながら、使用されている素材や着こなし方について紹介します。またインドで気軽にサリー着用体験ができるレンタルショップも紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
記事の監修者
インド人が身につけるサリーとは
サリーとは、インドの女性が身につける民族衣装のことです。古代インドの文学語として知られるサンスクリット語で「細長い布」を意味し、英語では「indian saree(インディアン サリー)」と表します。
華やかな見た目が特徴で、インド以外にもスリランカやバングラデシュ、ネパールなどの南アジアの女性も身につける衣装です。また、色によって階級や身につけるシーンが異なるのも特徴のひとつ。刺繍を施すことでファッション要素を取り入れることができる衣装です。
民族衣装であるインドサリーの歴史
インドのサリーは、世界で最も古い民族衣装と言われています。1世紀〜6世紀頃の彫刻には、すでに布を巻いた衣服が登場。約3000年前に成立したされたインド最古の聖典「リグ・ヴェーダ」にも記されていたとされています。
また一説には、5000年以上も前から着用されていたという話もあり、インドの歴史と密接な関係であることが伺えます。
インドサリーの基本情報と特徴
ここからは、インドサリーの基本的な知識や特徴について詳しく解説します。
インドサリーに使用される素材や生地
インドサリーは一枚の布で、5〜7メートルほどの長さがあります。主な素材はコットン(綿)で、通気性に優れているのが特徴です。コットンは汗もしっかり吸収してくれるので、インドの気候に適しています。
またシルク素材を使ったサリーはインド女性の憧れで、パーティーや冠婚葬祭といった特別な日に身につけるのが一般的です。冬場は、インナーの上からサリーを身につけたり羊毛のサリーを選んだりするのが基本。季節やシーンによって、使用する素材や生地が異なります。
インド人はサリーをいつ着るの?
グローバル化が進むインドでは、他の国同様に装いも西洋文化が浸透しています。しかしインドの女性の75%以上は、今でもサリーを着用。普段着から特別な日の以上まで、サリーのみで過ごす方もいます。
サリーを普段から身につけない方は、冠婚葬祭や参拝などで着用するのが基本です。またサリーは、成人の儀式の際にも着用。インドでは18歳になると、神聖なる儀式として寺院で祈ってもらう風習があります。ヒンドゥー教の少女の通過儀礼の象徴とされており、大人として認められる大きな儀式です。
また40歳という節目にも、人生を振り返る機会としてこれまでの人生に感謝の祈りを寺院で捧げます。その際にもサリーを着用するのが一般的です。
インドサリーの色には意味ある?
インドサリーは、カラフルな色と華やかさが特徴です。赤や黄色、青やピンクなどさまざまな色を使ったサリーがあるのがポイント。とくに婚礼やパーティーといったお祝いの席では、赤や黄色などの明るいカラーのサリーを身につけるのが好ましいとされています。
その一方で黒や白のサリーは、着用するシーンが限られているため注意が必要です。黒いサリーは気品と権力を表すカラーとされていますが、幸先が悪いイメージを持つ色と言われています。また白のサリーは哀悼の意味をもっているため、未亡人が着用するカラーです。
お祝いの場でサリーを身につける際は、カラー選びに注意しましょう。
白いサリーは階級も関係している?
白いサリーは未亡人が着用するカラーと言われていますが、カーストの最上位の階層(バラモン)を表す色とも言われています。白には平和や清浄、癒しといった意味があり、学問の女神・サラスヴァティが着用するサリーのカラーです。
刺繍が施された華やかな白いサリーを身につけている場合は、未亡人ではなくカーストの最上位の階層の人であるケースもあるでしょう。
男性用の民族衣装はサリーじゃない?
インドの男性用の衣装は、サリーではなくクルタと言われる上着です。下にはパジャマと言われるパンツを履くのが、一般的な組み合わせとなります。
パンジャブ地方の伝統的な上着が起源であり、日本のパジャマもインドのクルタが語源。ゆったりとした作りと通気性のよさから、機能性が高い衣装として知られています。
またクルタは、あくまでも普段着の民族衣装です。婚礼などの特別な日は、シャルワニと言われるフロックコートを模してつくられたフォーマルたコートを身につけます。
インドサリーの基本的な着方
インドサリーは、以下のような手順で着付けをします。
1:腰の高さにサリーを合わせる
2:インナーのペチコートに左手に持っているサリーの端を挟みこむ
3:右手に持っているサリーを体に巻きつけて一周させる
4:体の正面で束ねるようにプリーツを作る
5:プリーツを左向きして再度ペチコートに挟みこむ
6:残りの布を後ろに回して左肩にかける
サリーは、インナーのペチコートに挟むことで固定させます。着物のように紐を使って体に巻きつけないので、締め付けがないのもポイント。初めて身につける方でも気軽に着こなせます。
インドサリーの下に身につけるもの
インドサリーは一枚の布なので、インナーとしてペチコートとブラウスを着用する必要があります。インドでは、胸元が大きく開いている服装やミニスカートなどの脚が出る服装がNG。そのため、サリーの下には肌を露出しないためにインナーを身につけることが必要です。
またインドは冬場でも暖かい地域ですが、朝晩の冷え込みがあります。そのため、冬場はインナーに長袖を組み合わせるのがポイントです。季節に合わせてインナーを変えるのも、インドサリーの特徴と言えます。
実はルールがない!インドサリーの着方は地域によっても異なる
インドサリーの着方には、ルールがないと言われています。地域やカーストによっても着こなし方が異なるため、一枚でさまざまな身につけ方が楽しめるのも特徴のひとつです。
インドを訪れる際は、現地の方のサリーの着こなしをチェックしてみるのもよいでしょう。
インドサリーは現地でレンタルできる?
インドサリーは、現地でレンタルすることができます。現地でレンタルをすれば、インドサリーを身につけて観光スポットを回ることが可能です。
インドサリーのレンタルは、サリーが売られているショップで借りることができます。しかしショップによっては、販売のみのケースもあるでしょう。観光名所に近いマーケットやショップは、観光地化されている場合が多いです。
インドサリーをレンタルしたい方は、観光名所付近とサリーショップを利用するとよいでしょう。
現地でレンタルするインドサリーの値段相場
インドサリーは、だいたい1,500〜4,000円程度でレンタルできるケースが多いです。ほとんどのレンタルショップが着付けもセットになっているため、手ぶらで利用できます。
またショップでは、ペチコートやブラウスなどのインナーを貸してくれる場合がほとんどです。しかしまれにサリーのみの貸し出しとなっている場合もあるので、事前に持ち物を問い合わせするのがよいでしょう。
旅の思い出にぴったり!インドサリーがレンタルできるショップ
最後にインドサリーを着てみたいという方のために、おすすめのレンタルショップを紹介します。
TAJ MAHAL SAREE RENTAL KALA KENDRA
ひとつ目のおすすめサリーレンタルショップは、「TAJ MAHAL SAREE RENTAL KALA KENDRA」です。旅行会社のツアーにも組み込まれているレンタルショップなので、観光客慣れしているのも特徴となります。
サリーはもちろん、クルタのレンタルも可能。カップルでインドの民族衣装体験したい方にもおすすめです。また「TAJ MAHAL SAREE RENTAL KALA KENDRA」は、タージマハルから近いのもポイント。サリーに着替えて、タージマハル観光ができます。
【基本情報】
施設名:TAJ MAHAL SAREE RENTAL KALA KENDRA
サンタナロッジ
ふたつ目におすすめのサリーレンタルショップは、「サンタナロッジ」です。サンタナロッジは、インドのプリーで40年以上続いている日本人宿。日本語が話せるオーナーがいる宿で、バックパッカーに人気の高い宿です。
そんな「サンタナロッジ」では、インドの文化に触れられるさまざまなオプションツアーを行なっています。その中でも人気なのが、サリーの着用体験。サンタナロッジにてサリー選び、現地のインド人女性が着付けをしてくれます。
日本語で対応してもらえるので、語学が苦手な方でも気軽にサリー着用体験ができるのが魅力です。
【基本情報】
施設名:サンタナロッジ
住所:Shrivihar, Chhak, Puri, Odisha 752003
まとめ
サリーは、最も古くからある民族衣装です。歴史や色の意味を知ってから身につけると、また違った見え方ができるでしょう。インドで手軽にサリーの着用体験ができるレンタルショップも紹介したので、インドを訪れる際はこの機会にサリーに身を包んで観光名所を訪れてみてはいかがでしょうか?