インドのお酒事情を徹底解説!有名なお酒紹介と旅行中の楽しみ方も解説

旅行や出張の楽しみといえば、現地で楽しむお酒です。インド旅行を計画している人の中にも、現地のお酒を楽しみにしている人は多いでしょう。

しかし、インドは独自のお酒ルールがあるので、知らずに飲酒してしまうと思わぬトラブルに発展する可能性があります。

今回は、インドのお酒事情と、インドで有名なお酒を中心に解説していきます。

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インドではお酒が飲めないは嘘

インドのバー

宗教のイメージが強いインドではお酒は飲めないと考えている人もいるでしょう。インドは多様な文化と伝統が交錯する国なので、お酒に関する規制も州ごとに異なります。

多くの州では、飲食店での食事の際やホテルでお酒を飲めます。特に都市部では、国内外を問わずにさまざまなお酒が手に入りやすく、飲酒文化も発展しています。

州によってはお酒が禁止されている

インドのアルコール規制は州ごとに大きく異なります。例えば、以下の州ではお酒が全面的に禁止されています。

  • グジャラート州
  • ビハール州
  • ナガランド州

これらの州では、宗教的な理由や社会的な問題を背景に、現在でも厳しい禁酒政策が取られています。

一方で、他の多くの州ではアルコールが合法になっていて、バーやレストランで自由にお酒を飲めます。インド旅行でお酒を飲みたい人は、滞在する州が禁酒になっていないか確認しましょう。

インドの中でも特にお酒が楽しめる州は、ゴア州です。ゴア州は観光地としても有名で、多くのリゾートやビーチバーでお酒が提供されており、観光客にも人気があります。

ビーチでくつろぎながらお酒を飲みたい人は、ゴア州を訪れてみましょう。ゴア州については、以下の記事で詳しく解説しています。

参照:インドのゴアについて解説!進出でおすすめするジャンルも紹介

インドのお酒事情は意外とシビア?

インドの警察官

インドにおけるお酒事情は非常に多様なので、旅行者やビジネスマンは現地のルールを理解し、適切な行動を取ることが求められます。

以下、インドのお酒事情に関する具体的な事例を詳しく説明します。

インドでは州によって飲酒できる年齢が違う

インドでは、州ごとに飲酒可能な年齢が異なります。例えば、デリーでは飲酒可能年齢が25歳であるのに対し、ゴアでは18歳から飲酒が許可されています。

各州の年齢について、以下の表にまとめました。

18歳~ゴア州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ラージャスターン州、シッキム州
21歳~アーンドラ・プラデーシュ州、アルナーチャル・プラデーシュ州、アッサム州、チャッティースガル州、ハリヤーナー州、ジャールカンド州、カルナータカ州、マディヤ・プラデーシュ州、マニプール州、メガラヤ州、オリシャー州、タミル・ナドゥ州、テランガーナ州、トリプラー州、ウッタル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州、西ベンガル州
25歳~デリー、マハーラーシュトラ州、パンジャーブ州
禁酒ビハール州、グジャラート州、ミゾラム州、ナガランド州

このような規制の違いは、各州の文化的背景や社会的な状況にもとづいて設定されています。

そのため、旅行やビジネスでインドを訪れる場合は、訪問先の州の規制を事前に確認しましょう。

違反した場合、罰金や懲役など厳しい罰則が課されることがあります。これらの規制は、未成年者の飲酒を防止し、インドの社会秩序を維持するためのものです。

インドのコンビニではお酒が売っていない

インドのコンビニエンスストアでは、お酒を販売していません。これは、アルコールの乱用を防ぐための措置です。

お酒を購入するには、特定の酒類販売店やホテルのバー、レストランで注文する必要があります。

日本のようにコンビニで気軽にお酒を購入できないため、事前にお酒の購入場所を確認しておく必要があります。

旅行者は現地でお酒を購入するよりも、バーやレストランでお酒を楽しむのがおすすめです。

日本のお酒も売っているが高い

インドでは日本のビールやウイスキーなども手に入りますが、価格は高めです。これは、輸入品であるため、関税や輸送コストが価格に上乗せされるためです。

例えば、日本のビールやウイスキーは、現地のものと比べて高価になります。

日本のお酒はインドでも人気があり、高品質な製品として認識されています。しかし、コストが高いため、一般の人が手軽に楽しむことは難しいのが現実です。

また、特定の高級ホテルや専門店でのみ日本のお酒が取り扱われていることが多いため、購入場所の情報を事前に調べておく必要があります。

インドのお酒に関するルール

休日を楽しむインド人女性

インドには、お酒の販売や消費に関する厳格なルールがいくつか存在します。

  • インドには禁酒日(ドライデー)がある
  • 公共機関にはお酒の持ち込みが禁止されている
  • 飲酒運転はもちろん公道ではラベルも見せてはいけない

特に、日本では禁酒日が存在しないので、インドの禁酒日について詳しく解説します。

インドには禁酒日(ドライデー)がある

インドでは、特定の日にアルコールの販売が禁止される「ドライデー」が設定されています。これは、宗教的な祝日や国民的なイベントの日に適用され、州を問わずに実施されます。

ドライデーはほとんどの酒類販売店やバーが閉店し、アルコールの販売が一切行われません。例えば、インド独立記念日(8月15日)やガンジーの誕生日(10月2日)などがドライデーに指定されることが一般的です。

ドライデーを設定する目的は、重要な記念日にアルコールの影響を排除し、秩序と安全を確保することにあります。

そのため、インドを訪れる際は事前にドライデーの情報を確認し、必要なお酒を準備しておきましょう。

旅行者がドライデーを知らずにインドを訪れると、予定していた飲酒ができずに楽しめなくなる恐れがあります。

インドの祝日については、以下の記事で解説しています。

参照:【2024年版】インドの祝日を全公開!祝日の旅行計画の立て方を解説

 
kana
外国人もドライデーにはお酒を飲むことができませんので、飲酒を伴う会食の予定がある場合は、事前にドライデーと重ならないか確認しましょう。

公共機関にはお酒の持ち込みが禁止されている

インドでは、公共の場所や公共交通機関にアルコールを持ち込むことは厳しく禁じられています。

具体的には、バスや電車、飛行機などの公共交通機関にお酒を持ち込むことはできません。

また、公園や駅、空港などの公共の場所でもアルコールの持ち込みが禁止されていることが多いので注意しましょう。

これに違反すると罰金が科されることもあります。特に旅行者は、公共交通機関を利用する際にはアルコールを持ち込まないように注意しなくてはいけません。

このルールを守ることで現地での不要なトラブルを避け、快適な移動が可能となります。

飲酒運転はもちろん公道ではラベルも見せてはいけない

インドでは日本と同様に飲酒運転を厳しく取り締まっており、法律で厳しく罰せられます。飲酒運転の取り締まりは交通安全を確保し、事故を防ぐために重要です。

検問やアルコール検知器の使用が行われており、違反者には高額な罰金や免許停止、さらには懲役刑が科されることもあります。

さらに、公共の場でアルコールのラベルを見せることも禁じられています。これは、公共の場での飲酒を抑制し、社会の秩序を保つための措置です。

例えば、街中でアルコールの瓶や缶のラベルを見せて持ち歩くことは禁止されており、これに違反すると罰金が科される可能性があります。

インドで飲酒する際は、ホテルの部屋などのプライベートな場所で行いましょう。

インド旅行で飲みたい有名なお酒

インドで乾杯する人

インドには多様なお酒が存在しますが、その中でも特に人気のある5つのお酒を紹介します。

  • キングフィッシャービール
  • ウイスキー
  • ラム
  • フェニ
  • トディ

これらのお酒は国内外で高い評価を受けており、インド各地で楽しめます。

キングフィッシャービール

インドで最も有名なビールといえば、キングフィッシャービールです。このビールはインド国内外で人気があり、軽い飲み口と独特の香りが特徴です。

キングフィッシャービールは、ユナイテッドブリュワリーズ社によって製造されており、インド国内の多くのバーやレストランで提供されています。

その歴史は1978年にさかのぼり、以来、インドのビール市場で圧倒的なシェアを誇っています。

キングフィッシャービールには、以下の種類があるのでビール党は覚えておきましょう。

  • プレミアム
  • ストロング
  • ウルトラ

猛暑が厳しいインドでは、軽くて飲みやすいキングフィッシャービールが人気で、現地のスパイシーな食事とも相性抜群です。

ウイスキー

インドはウイスキーの消費量が非常に多い国で、特にアムルットやポールジョンなどのウイスキーが有名です。

これらのウイスキーはインド国内で生産され、高い品質と独自の風味で知られています。

アムルットは、インド初のシングルモルトウイスキーとして注目され、その豊かな味わいと香りが評価されています。

ポールジョンもアムルットと同様に、高品質のシングルモルトウイスキーを提供していて、国際的なコンペティションでも数々の賞を受賞してきました。

これらのウイスキーは、インドのウイスキー市場の成長を象徴しており、国内外の愛好家から注目されています。

ラム

インドのラムも非常に人気があります。特に、オールドモンクというラムは、インド国内外で非常に有名です。

オールドモンクは、インドのモハン・メッケン社によって製造されており、その歴史は1954年から始まります。

オールドモンクはシェリー樽で7年間熟成され、甘い香りとスパイスの風味が特徴的です。インド国内では、コーラやソーダと混ぜてカクテルとして楽しまれています。

インドのラムは、現地のカクテルや料理とともに楽しめるお酒です。インドの料理については、以下の記事で詳しく解説しています。

参照:インドのおすすめ食べ物TOP10!食事マナーやお腹を壊さないポイントも

フェニ

フェニはゴア州特産の伝統的な蒸留酒で、カシューの実やココナッツから作られます。特にカシューフェニが有名で、地元の人々や観光客に人気があります。

フェニは16世紀以前から続く伝統的な製法で作られており、その独特の風味と強いアルコール度数が特徴です。

フェニは地元の市場やバーで手に入るほか、観光客向けの土産物としても人気があります。カジュフェニは、カジュの実を発酵させてから蒸留する過程で、独特の香りと味わいが生まれます。

ココナッツフェニは造り手が減少し、今では希少なお酒になりました。ゴアを訪れた際には、地元の文化を感じるためにもぜひともフェニを試してください。

トディ

トディはヤシを原料としたお酒で、特に南インドでよく飲まれます。アルコール度数が低いので、さっぱりとした飲み口が特徴です。

地元の居酒屋や家庭で楽しまれており、インドの伝統的なお酒文化を感じられる飲み物です。

トディは、早朝に集められた新鮮なヤシをその日のうちに発酵させて作られるため、非常に新鮮でフルーティな味わいが楽しめます。

特にケララ州では、地元の人々にとって欠かせない飲み物となっています。

トディは、手作り感あふれる素朴な飲み物であり、南インドの文化や風習を体験する絶好のお酒です。

インドではお酒のオンライン販売も検討

インドのワイン

インドにおけるお酒のオンライン販売市場は、近年急速に検討が進んでいます。

特に都市部では、インターネットとスマートフォンの普及によってオンラインでお酒を購入し、自宅に届けてもらうデリバリーの需要が増加しています。

お酒のオンライン販売は、忙しいビジネスマンや外出を控えたい人々にとって非常に便利なサービスです。

お酒のオンライン販売のメリット

オンライン販売の大きなメリットは、消費者が自宅からいつでも好きなお酒を購入できる点です。

インド国内のビールやウイスキー、ラムといった定番商品に加え、輸入品のワインやシャンパン、スピリッツなど幅広い商品がオンラインで手に入ります。

インドでは公共交通機関にお酒を持ち込みできないので、離れた土地のお酒を購入する際に最適です。

オンラインでお酒が買える州

2022年1月時点では、以下の州がオンライン販売を開始しました。

  • マハーラーシュトラ州
  • 西ベンガル州
  • オディシャ州

また、デリー準州やカルナータカ州でもオンライン販売解禁に向けて動きが加速しています。今後は、少しずつお酒のオンライン販売とデリバリーが普及していくと予測されています。

サントリーのインドお酒市場への進出

ウイスキー

日本の大手飲料メーカーであるサントリーは、インドのお酒市場に積極的に進出しています。この戦略的な動きの背景には、インドの経済成長と中間層の増加があります。

サントリーは「日本市場の10倍」といわれるインド市場の成長ポテンシャルを見込み、進出しました。

サントリーのインド進出は2度目

サントリーは2012年5月にインドでの清涼飲料事業を始めることを発表しました。

インドの飲料企業ナラン・グループと合弁会社を作り、インド市場向けの「オランジーナ」を13年2月に発売します。
しかし、販売数量は計画の5割以下となり、わずか10カ月で事業撤退が決定しました。

ウイスキーで勝負をかけるサントリー

サントリーは、インド市場向けに専用のウイスキーを発売すると決めました。ブランド名は「オークスミス」とし、2商品を発売します。

正確な売上の情報はありませんが、インドでの売上は好調とのことです。

しかし、インドで瓶のウイスキーを販売するのは簡単ではありません。州ごとにラベルを変え、小売価格も一定ではないためです。

自動車メーカーとしてインドで成功しているスズキのように、サントリーも日本のウイスキー文化をインドで普及できるかが注目されます。

まとめ:インドでもビールやウイスキーなどのお酒を楽しめる

インドのビール

インドはお酒が飲めない国というイメージがありますが、多くの州で飲酒が認められています。禁酒の州は記事内で紹介しているので、インドを訪れる予定のある人はお酒が飲めるか確認してください。

また、インドにはドライデーという禁酒日があるので、祝日や国民行事の際は飲酒に気をつけましょう。インドならではのキングフィッシャービールやフェニ、トディなど、日本では珍しいお酒を楽しんでください。

 
kana
最近はBIRA(ビラ)というクラフトビールが注目されています。ニューデリーに本社を構える新興企業B9ビバレッジズが2015年に販売を開始し、お猿のロゴが目印です。日本のインド料理店でも取り扱っているお店もありますよ。ぜひ試してみてくださいね!