12月に入り、街はクリスマスモード全開ですね。インドでも、クリスマスの雰囲気を楽しめるスポットが数多く存在します。しかしインドと言えば、ヒンドゥー教やイスラム教が大半を占めており、キリスト教の行事であるクリスマスとの関係について気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、インドのクリスマスの特徴について地域別に紹介します。また、おすすめの過ごし方もお届けするので、クリスマスシーズンにインドに旅行を検討している方はぜひチェックしてみてください。
クリスマスがインドに到来した歴史的な背景って?

クリスマスがインドに広まったのは、歴史的に遡るとポルトガルやイギリスが到来した植民地時代に由来します。インドに持ち込まれたキリスト教の教義は、都市部を中心に広がりました。しかしながら、かつては反クリスマスの動きも見られたのも事実です。
今日ではそのような意識は薄れ、インドでもこの文化とフェスティバルを受け入れ、年末の特別なイベントとして根付いています。都心部ではイルミネーションやツリーで彩られるケースもあり、多くの人々が宗教を超えてクリスマスを楽しんでいます。
インドにおけるキリスト教徒の影響
インドではキリスト教徒は比較的少数派であり、インド全人口の約2.3%を占めています。しかし、特定の州や地域ではキリスト教徒が多く、特に北東部のナガランドやミゾラム、ゴア州、ケーララ州などでその影響が色濃く見られます。
これらの地域ではクリスマスを重要なイベントとして認識しており、盛大な祝祭が行われる場合もあるでしょう。教会での真夜中のミサや、地域コミュニティの祭りなど、キリスト教の影響を受けた文化的なイベントが人気です。また、ショッピングモールやホテルでの特別なイベントは都市部を中心に活気を見せています。
地域別にみるインドのクリスマスの特色は?

インドのクリスマスは、地域によって特色が異なります。地域ごとにインドのクリスマスの様子をみていきましょう。
南インドのクリスマス
南インドのゴアとケララは、インドにおけるクリスマスの祝祭で特に注目される地域です。ゴアではポルトガル統治の影響が色濃く残っており、クリスマスもその文化的背景から重要なイベントとして親しまれています。
ゴアの街は色とりどりのライトアップで輝き、教会では真夜中のミサが行われ、クリスマスの雰囲気を存分に楽しむことができます。ケーララもまた、キリスト教徒が割合として多い州の一つであり、ここではビーフビリヤニやフルーツケーキとワインがクリスマス料理として楽しまれます。
東北インドのクリスマス
東北インドのクリスマスは、特にナガランド、ミゾラム、メガラヤの各州で一大イベントとして盛大に祝われます。これらの地域はキリスト教徒が多数を占めるため、クリスマスは社会的にも重要な行事です。
地域ごとの伝統文化と独特の音楽が融合し、色鮮やかな祭りが繰り広げられます。マニプールでは、12月23日から新年にかけて続く祝祭があり、クリスマスイブには教会での真夜中のミサが欠かせない行事となっています。
西インドのクリスマス
西インドに位置するムンバイは、クリスマスが商業的にも大きな盛り上がりを見せる都市の一つです。特にバンドラ地区では多くのローマ・カトリック系の教会が存在し、宗教を超えて地域住民がクリスマスを楽しむ光景が見られます。街中はイルミネーションとともにクリスマスデコレーションが施され、クリスマスツリーがショップや公共の場に飾られています。
また、ショッピングモールでは特別なクリスマスイベントが開催されるのも特徴の一つ。プレゼント交換や美味しいクリスマスディナーなどもムンバイのクリスマスを彩る重要な要素となっています。
インドで味わえるクリスマス料理って?

インドではクリスマスが都市部を中心に浸透しており、さまざまな文化的要素と結びついています。インド全体で大々的に祝われるわけではありませんが、キリスト教徒が多い地域を中心に、クリスマスならではの料理や文化が楽しめるでしょう。家庭でもクリスマスツリーを飾り、特別な料理を楽しむ傾向があります。
インドのクリスマス料理は地域によって多様です。特にゴアやケララといった南インドの地域では、独自の料理がクリスマスの食卓を彩ります。ゴア地方の代表的な料理「ソル・ポテル」は、豚肉を使ったスパイシーなカレーでクリスマスの伝統料理です。また、ケララ州では「ビーフビリヤニ」や「フルーツケーキ」にワインを添えることが一般的です。インドでクリスマスを過ごすなら、各地域で楽しめるクリスマスを味わってみるとよいでしょう。
インドで人気のクリスマスの過ごし方

インドでは、家庭ごとにクリスマスの過ごし方が異なります。そのなかでも、近年人気を集めるクリスマスの過ごし方をみていきましょう。
インドで人気のクリスマスの過ごし方①:プレゼント交換
近年、インドのクリスマスは都市部を中心に大きな変化を遂げています。特にプレゼント交換は、クリスマスのイベントの一つとしてインドでも人気です。12月に入ると職場や家庭でクリスマスパーティが開催され、プレゼント交換が行われます。特に職場では、従業員間の連帯感を深め、コミュニケーションの一環として取り入れるケースもあります。インドでクリスマスを過ごすなら、現地で購入したプレゼントを交換するのもよいかもしれません。
インドで人気のクリスマスの過ごし方②:クリスマスソングに耳を傾ける
インドのクリスマスのムードを一層盛り上げる要素として、クリスマスソングと地元の音楽の融合も挙げられます。各地で行われるクリスマスイベントにおいて、伝統的なクリスマスキャロルと共に、インド特有のリズムやメロディーを取り入れた楽曲が演奏されています。街中やショッピングモールでは、インドスタイルのクリスマスソングが流れているので耳を傾けてみるのもよいでしょう。また、地元の教会を覗いてみると日本と一味違ったクリスマスを過ごせるかもしれません。
インドのクリスマスシーズンの気候は?

クリスマスシーズンである12月のインドの気候は、最高気温が20度前後と非常に過ごしやすいです。しかし最低気温は10度前後まで低下するので、1日の寒暖差が大きいと言えます。日中であれば、セーター1枚で過ごせるでしょう。夜間は冷え込むので、薄手のダウンやコートの用意が必要です。同じ時期の日本と比較すると、過ごしやすいと感じられるかもしれません。寒いのが苦手な方は、クリスマスの時期にインド旅行を楽しむのもおすすめです。
インドの街でクリスマスムードを感じよう!

インドは、日本と同じく自国で広まる宗教以外の文化にも寛容的な一面があり、クリスマスもアメリカやヨーロッパ同様に楽しむ文化があります。また、エスニックな雰囲気にクリスマスのイルミネーションが加わることでインドの新しい一面が見られるかもしれません。クリスマスシーズンにインドへ旅行に行く予定の方は、是非今回の記事を参考にクリスマスを楽しんでみてくださいね。