インドを訪れる予定の人は、歴史ある建造物や美味しい食事を楽しみにしていることでしょう。しかし、「インドのトイレは衛生的なのか」と心配している人も少なくありません。
そこで今回は、インド式トイレの使い方やよくある問題点について解説していきます。安心してインドへ出発するために、最後まで読み進めてみてください。
インドのトイレ文化の基本
まずはインドのトイレ文化の基本について解説します。
- インドの地域別トイレスタイルの違い
- インドの公共トイレで知っておくべきこと
上記を知ることで、インドのトイレ事情の基本がわかります。
インドの地域別トイレスタイルの違い
インドでは、トイレの普及率が低いのが問題でした。2014年、当時のインドのモディ首相は独立68周年記念式典で演説を行いましたが、多くの時間をトイレに割いたと話題になりました。
インドでは屋外で排せつするのが一般的で、その排せつ物を処理して生計を立てている人たちもいるためです。そのため、都市部から地方、田舎まで、トイレのスタイルが地域ごとに大きく異なります。
デリーやムンバイといった大都市にある近代的な建物には、洋式トイレが設置されています。一方の地方や田舎の地域では、インド式スクワットトイレが主流であり、これは床に穴が開いているだけのシンプルな形状です。
インド式スクワットトイレは水の使用量が少なく、水不足に苦しむ地域では特に重宝されています。
インドの公共トイレで知っておくべきこと
インドを訪れる日本人にとって、公共トイレの利用で驚くことも珍しくありません。そもそも公共トイレ自体がなかったり、トイレットペーパーが設置されてなかったりするためです。
トイレットペーパーを使っても流すシステムやゴミ箱がないため、そのまま持ち帰ったという人もいます。インドではトイレで紙を使う習慣がありません。
参照:【女性必見】インド旅行はやめたほうがいい?やばい理由と治安情報を解説
インド式トイレの使い方
インド式トイレの使い方が分からないと、大きな問題になります。
- スクワット式トイレの使い方
- 洋式トイレとインド式トイレの違い
インドのトイレの使い方を学んでから出発しましょう。
スクワット式トイレの使い方
インドでよく見られるスクワット式トイレは、一昔前の日本でも使われていました。日本では和式トイレと呼ばれ、便器をまたいでスクワットの姿勢で排せつを行います。
スクワット式トイレは、基本的な姿勢とバランスが重要です。使用する際は足を肩幅に開き、しゃがむようにして用を足します。
日本では扉に背を向けてしゃがむのが一般的ですが、インドでは扉に向き合ってしゃがみます。向きを間違えてしまうと排せつ物が流れていかないので注意しましょう。
トイレ内にゴミ箱がある際は、持参したトイレットペーパーやティッシュペーパーを使い、使用後はそのゴミ箱に捨てます。トイレに紙を流してしまうと詰まってしまうためです。
備え付けの水と手を使うタイプのトイレは、普段トイレットペーパーを使っている人には抵抗があるでしょう。
洋式トイレとインド式トイレの違い
インドの洋式トイレは日本のものと似ていますが、使用方法は少し異なります。インドのホテルや高級レストランでは、TOTOのトイレを見かけることもあります。
近代的な施設や高級な場所はトイレットペーパーが完備されていて水で流せますが、ウォシュレットの代わりにハンドシャワーが設置されているところが多いのが特徴です。ハンドシャワーに抵抗がある人は、トイレットペーパーを使うようにしましょう。
ショッピングモールや一般的なレストランは、日本の初期の洋式トイレのような形式が一般的です。こちらもハンドシャワーが備え付けられていますが、トイレットペーパーも使用できます。
インドでは洋式トイレに慣れていない人がいるため、床や便器がハンドシャワーで濡れていたり、便座に足を乗せてしゃがんでしまったりする人もいるので注意が必要です。
インドのトイレを安心して使うコツ
インドでトイレを使う際は、いくつか役立つグッズがあります。特に女性が清潔にトイレを使用する際に欠かせないので、詳しく解説していきます。
インドのトイレで役立つ便利グッズ
インド旅行を快適にするためには、便利グッズが欠かせません。インドのトイレ事情を考慮すると、まず携帯用の消毒液が必要です。
公共トイレや宿泊施設のトイレが衛生的でない場合、便座を清潔にするために使用します。
また、ウェットティッシュはトイレットペーパーの代わりに使えるため、水の使用が難しい場所で重宝します。
ポータブルトイレットペーパーも必要です。インドの多くのトイレにはトイレットペーパーが備え付けられていないため、常に携帯していると安心してトイレを使用できます。
地方や田舎にはトイレそのものがない可能性があるので、女性旅行者はポータブルトイレや女性用衛生用品も携帯しましょう。今回紹介した便利グッズは、衛生状態が不十分なトイレや地方での排せつ時に役立ちます。
トイレットペーパーの代わり
インドではトイレットペーパーの使用が一般的でないため、携帯用のウォシュレットも便利です。多くのインド式トイレでは備え付けの水やハンドシャワーを使って清潔を保ちますが、旅行者にとってはこの方法に慣れるのに時間がかかる場合があります。
そこで、携帯用ウォシュレットやウェットティッシュが有効です。トイレットペーパーが設置されていなくても、携帯用ウォシュレットやウエットティッシュがあれば安心してトイレを使えます。
インドのホテルとトイレ設備
インドでホテルを選ぶ際は、どういうトイレ設備かを確認すると安心して予約できます。
- 宿泊先選びのポイント
- バックパッカー向けの選択肢
特に宿泊先選びのポイントは、これからインドを訪れる人にとって大切なので丁寧に解説していきます。
宿泊先選びのポイント
インドでホテルを選ぶ際はトイレの確認が大切です。トイレの種類や質は、心身の疲労回復に重要になるためです。
高級なホテルや都市部にあるホテルでは、洋式トイレが設置されている場合が多いので安心して宿泊できるでしょう。一方、地方や予算が限られたホテルでは、現在でも旧式の洋式トイレやインド式トイレが主流です。
ホテルのホームページや口コミを確認して、どんなトイレ設備かを確認しておくと滞在中のストレスやトラブル防止につながります。インドでは、ホテルのグレードが下がる=トイレのグレードが下がると認識しておきましょう。
バックパッカー向けの選択肢
バックパッカーとしてインドを旅する際は、現地のトイレに柔軟な対応が求められます。限られた予算の中で宿泊施設を選ぶため、インド式トイレしか提供されていない場合が多いためです。
低価格の宿泊施設ではトイレットペーパーが提供されていないことも多いため、自分でトイレットペーパーやウェットティッシュを持参しましょう。トイレの便座や周辺が汚れていたり濡れたりしている場合は、しっかりふき取って消毒液を使うなどの自衛策が有効です。
限られた予算の中でもインドの旅を満喫するためには、インド式トイレに慣れることと同時に便利グッズを携帯しましょう。
インドでの衛生管理と健康対策
インドに滞在中、お腹を壊したという日本人は数多くいます。
- インドでの衛生習慣
- 水質と衛生問題
- 旅行中の健康管理
インド滞在時にお腹を壊さないように、インドの衛生事情について解説していきます。
インドでの衛生習慣
インドにおける衛生習慣は日本と大きく異なるため、旅行者は注意が必要です。インドでは下水設備が整っていないため、現在でも7億人を超える人々がトイレを使えていないといわれています。
地方では茂みや河川で排せつをする機会が増えますが、コブラに噛まれて亡くなったり暴漢に襲われたりといった事故や事件も発生しています。トイレがない地域で排せつをする際は、さまざまなリスクを警戒しながら手早く済ませるようにしましょう。
また、トイレの使用時はトイレットペーパーではなく水を用いることが一般的で、衛生的な懸念事項になっています。適切な手法を用いないと、公共の場や食事の場面で衛生面の問題が発生しやすくなるためです。
公共トイレやホテルなど、トイレがある場所でも衛生状態には大きなバラつきがあります。インドでトイレを利用する際に、自分で清潔を保つことが重要です。
水質と衛生問題
インドにおける水質問題は、衛生面での大きな課題となっています。ガンジス川をはじめとしたインドの河川では、入浴や洗濯だけでなく排せつまで行われているためです。
河川の水は貴重な生活用水なので、人々の飲料水としても用いられます。その水が汚染されてしまうと、感染症や病気のリスクになります。
インドでは水の汚染によって亡くなる5歳未満の子どもが年間5万人以上いるのが問題です。河川は海につながっているため、インドの下水設備は国際的な課題でもあります。
旅行中の健康管理
インド旅行中にはトイレの衛生状態にくわえて、健康管理に細心の注意を払いましょう。消毒や除菌を徹底することで、感染症のリスクを抑えられます。
また、インドは温暖な気候の地域が多くなるので、虫よけスプレーや虫刺されの薬を持参しておくと安心です。お腹が心配な人は食あたりや水あたりの薬も用意することをおすすめします。
参照:インドのおすすめ食べ物TOP10!食事マナーやお腹を壊さないポイントも
インド滞在中のトイレトラブル解決法
インドでのトイレ事情は解説してきましたが、それでもトラブルに遭遇してしまう可能性はゼロではありません。
- トイレが見つからない時の対処法
- トイレの利用マナーとエチケット
トイレが見つからない時の対処法やマナーについて解説していきます。
トイレが見つからない時の対処法
インドでの滞在中にトイレが見つからないという事態を経験する人がいます。インドではトイレの数が限られているか、お店の場合は客にしかトイレを提供してくれない場合があるためです。
移動中に渋滞に巻き込まれてしまう可能性もあるため、常に携帯用のトイレを持参しておきましょう。トイレを探す際は、ホテルとガソリンスタンドを目印にするとトイレに辿りつけます。
緊急の場合は飲食店に入ってトイレを使い、落ち着いてから飲み物などを購入するとお店も快く受け入れてくれます。お店が見つからない場合は、地元の人々にトイレの場所を聞くのも有効です。
トイレの利用マナーとエチケット
インドでのトイレ利用においては、独特のマナーやエチケットが存在します。例えば、インドでは左手を清潔な手として使用する習慣があり、トイレの後の清掃には左手を用います。
そのため、インドで食事する際は右手だけで食べるのがエチケットです。インドの都市部では、スプーンやフォークを使って食事するレストランも増えてきましたが、素手で食べる際は左手を使わないようにしましょう。
まとめ:インドのトイレは場所によって形式が異なる
インドのトイレは、洋式のキレイなトイレからインド式のスクワットトイレまで場所によって形式が異なります。それぞれのトイレの使い方を理解し、清潔に使うようにしてください。
インドではトイレットペーパーが無いトイレもあるので、トイレットペーパーや紙を入れる袋、ウエットティッシュなどを常に常備しておくと安心できます。トイレそのものが少ないので、緊急時に使えるような携帯トイレや携帯ウォシュレットを購入しておくこともおすすめです。
インドでは強いスパイスや油でお腹を壊しやすいので、薬の準備も忘れないようにしましょう。