インドへ渡航する予定がある人は、最初にパスポートとビザの取得を考えるでしょう。パスポートは2023年3月からオンラインで取得できるようになりましたが、ビザは渡航先によって取得状況が異なります。
本記事では、インドのビザの申請方法とビザの種類、現地で滞在延長する際の対応について解説していきます。初めての海外渡航を予定している人も、この記事を読めばインドのビザ事情が把握できるでしょう。
記事の監修者
インドに短期旅行に行く際は事前のビザ取得が不要になった
2016年3月1日より、インドへの短期旅行の際に事前のビザ取得が不要になりました。これによって、観光などでインドを訪れる際の手続きが大幅に簡素化されます。
現地の空港に到着した際にビザを申請できるので、インドへ渡航する際にパスポートと荷物だけあれば渡航可能です。
ただし、事前にビザを取得していない場合の滞在期間は60日以内に限られ、入国時にパスポートの残存有効期間が6カ月以上あることが現地でのビザ申請の条件となっています。
インドへの入国に必要なビザ一覧
インドへ渡航する際には、目的や滞在期間に応じて適切なビザを取得する必要があります。
- 通常ビザ
- e-VISA(電子観光ビザ)
- ビザ・オン・アライバル
特に、ビザ・オン・アライバルは珍しい制度なので詳しく解説していきます。
通常ビザ
通常ビザは、インドに滞在する場合に申請する一般的なビザです。通常ビザは、以下のカテゴリーが対象になります。
- 観光(Tourist Visa)
- 業務・商用(Business Visa)
- 就労(Enpoloyment Visa)
- 国際会議(Conference Visa)
- 医療(Medical Visa)
- 留学(Student Visa)
通常ビザの期限は一般的に3カ月、6カ月、1年、3年、5年の範囲となっています。
e-Visaのカテゴリー
e-Visaは、以下のカテゴリーに該当する場合に申請可能です。
- 観光(e-Tourist Visa)
- 商用(e-Business Visa)
- 医療(e-Medical Visa)
- 患者への付き添い(e-Medical Attendant Visa)
- 国際会議(e-Conference Visa)
e-Visaの場合はインド内務省ホームページにアクセスし、事前に申請を行います。インド到着時は整体認証を行い、ビザの認可を取得して入国可能になります。
インドでe-Visaが使える空港一覧
e-Visaを利用してインドに入国する際は、指定された30の国際空港のいずれかを利用する必要があります。e-Visaで入国可能な空港は、以下の画像にまとめました。
e-Visaを利用する際は、上記の国際空港を利用しましょう。
ビザ・オン・アライバル
ビザ・オン・アライバルは、インド空港に到着後、その場でビザを取得できる制度です。日本、韓国、アラブ首長国連邦の国民はビザ・オン・アライバルを利用できますが、事前に申請用紙をダウンロードして記載しておきましょう。
空港に到着したらVOA申請カウンターに申請用紙を提出し、2,000インドルピー(日本円で約3,500円※レート1.82円)を支払いしてレシートを受け取ります。その後、質疑応答などを受けて問題がなければビザを発行してもらえます。
質疑応答の際に英語での対応が求められるので、英語が苦手な場合はe-Visaの利用がおすすめです。
ビザ・オン・アライバル制度が適用される空港一覧
ビザ・オン・アライバル制度が適用される主要な空港は、以下の通りです。
- デリー
- ムンバイ
- チェンナイ
- コルカタ
- バンガロール
- ハイデラバード
現地でビザを発行したい人は、上記の国際空港を利用しましょう。
また、ビザ・オン・アライバルの対象になるのは以下のようなケースです。
- インド国内で居住や就労していない人
- 残存有効期間が6カ月以上ある
- インド滞在中及び出国時に十分な資金を保有していない
- インド政府にとって好ましくない人物でない
- 本人・両親・祖父母のいずれかがパキスタン生まれか永住していない
上記に該当してしまうと、現地に到着してもビザを発行してもらえないので注意しましょう。
インドのビザを申請する方法
インドのビザを申請する際は、目的や滞在期間に応じて適切な種類のビザを選び、必要書類を揃えた上で申請を行います。
- e-Visaの申請手順
- e-Visa申請に必要な書類
- e-Visa申請の際の注意点
- 通常ビザの申請方法
これからインドのビザを発行予定の人は、目的に応じたビザの申請方法を参考にしてみてください。
e-Visaの申請手順
e-Visaを申請するためには、インド内務省のホームページにアクセスします。申請者の情報、パスポート情報、渡航目的、滞在予定などを入力し、申請書を作成します。
入力内容を確認したら、オンラインで申請料60ドルを支払います(クレジットカード、デビットカードが利用可能)。e-Visaの申請完了後、申請番号が発行されるので保管しましょう。
この申請番号を用いて、ビザ申請の状況を確認します。通常3〜4日以内にビザが発行され、登録されたメールアドレスにe-Visaが送付されます。
e-Visa申請に必要な書類
e-Visa申請に必要な書類は、以下の通りです。
- パスポート(残存有効期間が6カ月以上あるもの)
- デジタル写真(JPEGフォーマット、白背景)
- 滞在予定の詳細(宿泊先の住所、連絡先など)
- e-Visa申請料の支払い証明
デジタル写真は、ファイルサイズが10KB〜1MB以内のものを用意します。e-Visa申請料の支払い証明は、現地に到着してからも使用するため、大切に保管しましょう。
e-Visa申請の際の注意点
インド内務省のホームページは英語になっているため、申請書の記入も英語で行います。間違えのないように、必要事項を正確に記入してください。
また、パスポートに記載されている情報と申請書の情報が一致していることを確認しましょう。
使用する写真は背景が白、顔が正面を向いているものを用意します。写真に不備があると、現地での本人確認にも支障が出る可能性があります。
申請に疑問点がある場合は、駐日インド大使館(03-3262-2391〜97)に連絡して確認しましょう。
通常ビザの申請方法
オンライン申請以外にも、駐日インド大使館や在大阪インド総領事館で通常ビザの申請を行えます。必要書類を揃えた上で、直接大使館や総領事館を訪れるか、郵送で申請を行ってください。
通常ビザの申請は、e-Visa申請に比べて手続きが完了するまでに時間がかかる場合があります。通常ビザの申請も、疑問点がある場合は大使館や総領事館に問い合わせをしてみましょう。
インドでの滞在を延長する場合はどうする?
諸事情で当初の予定よりも滞在期間を延長する必要がある場合、適切な手続きを踏んで滞在期間の延長申請を行わなければなりません。
インドでの滞在期間を延長する際の手続きについて解説していきます。
外国人登録事務所(FRRO・FRO)での申請と登録が必要
インドでの滞在を延長する際は、最寄りの外国人登録事務所(FRRO、FRO)で滞在期間の延長申請を行う必要があります。
外国人登録事務所は、デリー、チェンナイ、コルカタ、ムンバイ、ベンガルールなどの大都市は各都市の警察本部内にあるFRRO、その他の地区は地区警察本部内FROにあるので、そこで申請を行います。
申請にはパスポート、現在のビザ、延長理由を説明する書類などが必要です。ビザの延長や滞在理由の変更は基本的に受け付けてもらえないので、注意しましょう。
出国審査で止められる事例があるので注意
滞在の延長申請を行わずにインドに滞在し続けると、出国審査で止められて罰金や出国禁止措置を受ける可能性があります。
滞在期間を1日でも超過してしまった場合は、インド内務省の許可を得てからFRROまたはFRROに出国許可を取る必要があります。くれぐれも、手続きしない状態で空港に行かないように注意しましょう。
インドのビザに関するよくある質問
インドのビザには、以下のような質問が多く寄せられています。
- インドに行くのにビザは必要ですか?
- インドのe-Visaは取得までに何日かかりますか?
- 事前ビザなしで滞在できるインドの期間は?
入国の際に困らないように、それぞれの質問に回答していきます。
インドに行くのにビザは必要ですか?
日本人がインドへ渡航する際、短期の観光や商用目的であれば、事前のビザ取得は不要です。ただし、滞在期間が60日以内であることが条件となります。
それ以上の長期滞在や就労、留学などの目的でインドを訪れる場合は、目的に応じた適切なビザを取得する必要があります。
インドのe-Visaは取得までに何日かかりますか?
インドのe-Visaは、オンラインでの申請から通常3〜4日以内に発行されます。ただし、申請内容に不備があった場合や審査に時間がかかる場合は、発行までにより長い時間を要する可能性があります。
また、e-Visaの申請期間は、インド入国の120日前〜4日前までと決められています。e-Visaの申請は余裕をもって行いましょう。
事前ビザなしで滞在できるインドの期間は?
日本人が観光や短期商用目的でインドを訪れる場合、事前のビザ取得なしで最大60日間滞在可能です。この期間を超えて滞在する場合は、目的に応じた適切なビザを取得する必要があります。
また、ビザなし滞在の適用には、パスポートの残存有効期間が6カ月以上あることが条件となっています。
インド滞在時にビザで困った際の連絡先
インドへの渡航中や滞在中にビザに関するトラブルに直面した場合、以下の連絡先に相談や問い合わせを行ってください。
在インド日本国大使館(ニューデリー)
住所:Plot No.4&5,50-G Shantipath, Chanakyapuri,New Delhi 110021
電話:+91-11-2687-6581
メール:bjic@nd.mofa.go.jp
在ムンバイ日本国総領事館
住所:Consulate-General of Japan, MumbaiNo.1, M.L. Dahanukar Marg, Cumballa Hill,Mumbai-400 026, India
電話:+91-22-2351-7101
メール:ryoji@by.mofa.go.jp
在チェンナイ日本国総領事館
住所:No. 12/1, Cenetoph Road 1st Street, Teynampet, Chennai 600018 India
電話:+91-44-2432-3860/61/62/63
メール:consularcgj@ms.mofa.go.jp
在コルカタ日本国総領事館
住所:55 M.N. Sen Lane, TollygungeKolkata- 700 040, India
電話:033-3507-6830
メール:ryoji_kolkata@cc.mofa.go.jp
インド渡航時のビザに関する国内問い合わせ先
インドへの渡航やビザに関する質問や相談は、以下の機関にお問い合わせください。
駐日インド大使館
住所:〒102-0074 東京都千代田区九段南2-2-11
電話:03-3262-2391~97
メール:sspol.tokyo@mea.gov.in
在大阪インド総領事館
住所:〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町1丁目9−26 ルシッドスクエア船場10階
電話:06-6261-7299
メール:admn.osakakobe@mea.gov.in
まとめ:インドのビザはe-Visaで事前取得するのがおすすめ
インドに渡航する際、旅行などの短期滞在は事前のビザ取得が不要になりました。インドの空港に到着してからビザを申請すれば入国可能です。
現地でのビザ申請は英語対応が必要になるので、英語が不安な場合は事前にe-Visaなどを申請しておくことをおすすめします。
また、現地での滞在期間を延長する際は、外国人登録事務所で延長手続きが必要です。申請せずに出国しようとすると罰金や出国禁止措置になる可能性があるので、注意しましょう。
インドのビザ申請について疑問がある場合は、在日インド大使館や在大阪インド総領事館に問い合わせをしてください。歴史あるインドの旅を楽しみましょう。