【起業・進出】インドの治安|注目を集めるビジネス都市の特徴を紹介

経済発展が著しく、世界第一位の人口を誇る超大国インド。

タージマハルといった人気の世界遺産をはじめ、大自然ヒマラヤ山脈、そして聖地ガンジス川など、多くの魅力を持った観光地として知られています。

またIT大国でもあるインドは、起業・進出先といったビジネスの側面からも近年注目を集めています。
そんな魅力あるインドですが、安全な日本で育った我々目線では、「インドの治安」は気になる点でしょう。

今回の記事では、インドの治安について解説し、さらに起業・進出先としてインドを検討している方向けに、人気のビジネス都市を5つ紹介します。

記事の監修者

【概要】インドの治安について

まずはインドの治安状況について、外務省の情報を元に解説します。

外務省の危険情報:インドはレベル1(十分に注意すれば危険ではない)

画像引用:外務省公式サイト

外務省発表によるインドの治安は、多くの地域が危険「レベル1」に該当しており、十分に注意をすれば過ごせるレベルとされています。

ただし、北部のジャンム・カシミール準州近郊は「レベル4(退避勧告)」から「レベル3(渡航中止勧告)」に該当しており、注意が必要です。

ビジネスでの訪問をはじめ、起業や進出先を選定する場合は、「レベル1」に該当する地域から選びましょう。

また在インド日本国大使館・総領事館がある地域も比較的安全なため、おすすめです。

参照資料:外務省|インドの危険情報【危険レベル継続】

 
kana
私はデリーのローカルエリアに1年住んでいましたが、幸い危険な目に遭うことはありませんでした。ただし、ホームステイ先には鉄格子のドアがあり、防犯対策がしっかりしていました。

インドの治安ランキング:世界平和度指数126位

オーストラリアのシンクタンク「Institute of Economics and Peace(IEP)」によれば、インドの世界平和度指数は163か国・地域の内、126位となっています(2023年版)。

犯罪件数や政情不安の改善によって、2022年時点の135位からはやや上昇していますが、上位とは言い難い状況です。

参照資料:IEP|GLOBAL PEACE INDEX 2023

インドでのよくあるトラブル・犯罪:置き引き・スリ

インドの治安は比較的安全な「レベル1」に該当していますが、決して安心してはいけません。安全な日本と比べると、置き引きやスリといった犯罪は多く発生しています。

基本的には昼夜問わず、1人での外出は避けましょう。また空港や駅、レストランなど人が多く集まる場所でも、手荷物から目を離さないなどの注意は必要です。

トラブル時の連絡先:警察・在インド日本国大使館

インドでトラブルに巻き込まれた場合は、日本と同様に警察(番号:100)に相談しましょう。

また警察で対応できないトラブルの場合は、在インド日本国大使館・総領事館へ相談するのをおすすめします。インド内には以下5つの日本大使館・総領事館がありますので、参考としてください。

▼在インド日本国大使館・総領事館リスト(電話番号)

  1. インド日本国大使館((91-11)2687-6564、2687-6581~3)
  2. コルカタ日本国総領事館((91-33)3507-6830)
  3. チェンナイ日本国総領事館((91-44)2432-3860~3)
  4. ベンガルール日本国総領事館((91-80)4064-9999/(91-80)4166-0111~3)
  5. 在ムンバイ日本国総領事館((91-22)2351-7101)

参照資料:外務省|在インド日本大使館・総領事館リスト

治安が良いインドのビジネス都市5選

起業の地、進出先としておすすめのインドの都市を5つご紹介します。治安が良い都市を選出しているため、候補地をお探しの方は参考としてください。

1. デリー:商業・工業・文化が中心のインドの首都

インドの首都機能を有しているのがデリー連邦直轄地(通称デリー)です。東アジア第三の都市とされており、面積は1,4833km²、人口は約2,050万人を有しています。

外務省発表によるデリーの治安レベルは「1」に該当しており、比較的安全です。また日系企業数や駐在日本人数が最も多い地域であることから、日本人がビジネスで進出する際も安心できる都市といえるでしょう。

なお、インドの「ニューデリー」は政治機能などを有した地域で、デリーの一部です。

参照資料:国際協力銀行|地域編①:デリー首都圏40

2. グルガオン(現グルグラム):急成長するグローバルビジネス都市

近年、急成長を遂げているビジネス都市がグルガオン(現グルグラム)です。首都デリーから南西約30kmに位置するハリヤナ州の都市で、面積は732km²、人口は約200万人以上を有しています。

10年以上前は砂漠地帯でしたが、IBMやGoogleといった名だたるIT企業が進出し、インド屈指のグローバルビジネス都市へと急成長しました。

外務省発表によるグルガオンの治安レベルは「1」で、日系企業が多いのも特徴です。日本食が多いという点でも有名な同都市は、移住し起業する際の候補地として、日本人から人気を集めています。

なお、首都デリーとは高速や地下鉄(メトロ)で繋がっており、30分から1時間で移動できる点も人気の理由です。

3. ムンバイ(旧ボンベイ):インド最大の経済都市

首都デリーに並ぶインド最大の経済都市がムンバイです。インド西部、アラビア海に面したマハラシュトラ州の都市で、面積は603.4km²、人口約2,000万人を有しています。

近年は「ボリウッド(ボンベイ+ハリウッドの造語)」と呼ばれる映画産業が盛んですが、中央銀行や国立証券取引所(NSE)などが立地していることから、金融・経済の中心地としても機能しています。

また同都市はショッピングモールが多いという特徴を持っており、インド進出時のテストマーケティングの地としても知られています。

小売業などでインドへ進出する際は、ムンバイでの消費動向を確認し、他の地域への拡大可否を検討するのが良いでしょう。

外務省発表による同都市の治安レベルは「1」に該当しており、安全面でも問題はありません。

4. バンガロール(ベンガルール):インド版シリコンバレー

インド版シリコンバレーとも呼ばれているのがバンガロールです。インド南部のカルナータカ州に属しており、面積は741km²、人口は約1,400万人以上を有したインド第三の都市として栄えています。

2000年代頃から世界のテック系企業が集まり、IT産業を中心として栄えてきました。優秀な人材が集まることからスタートアップに適した街としても知られています。

5. ノイダ:今後栄える計画産業都市

今後発展すると予想されているのがインドの計画産業都市ノイダです。首都デリーから約20kmの南東部に位置する計画産業都市で、名称はインド公社「New Okhla Industrial Development Authority(NOIDA)」の頭文字に由来しています。

インド政府によって計画的に整備された都市であり、現在も機能を拡張し続けているのが特徴です。

またサムスン電子といった世界最大の半導体起業が稼働するなど産業都市でありながら、快適なライフスタイルの充実にも力を入れているハイブリッド都市と評されています。

2022年にはインドで最もクリーンな街に選出されるなど、今後栄える居住都市としても注目を集めています。

参照記事:Noida ranked India’s Cleanest Medium City

まとめ:インドの治安は比較的安全でビジネス面でも問題なし

今回の記事では、インドの治安をテーマにしつつ、起業・進出におすすめのビジネス都市を紹介しました。簡単にまとめます。

  • インドの治安は比較的良い(外務省の危険情報では概ね「レベル1」に該当)
  • 日本に比べると置き引きやスリなどの犯罪は起きる
  • グローバル企業や日系企業の多い都市であれば、起業・進出に向いている

ビジネスの候補地選びの際に、ぜひ参考としてください。

 
kana
ビジネス都市や外国人の居住エリアは、インドの中では比較的安全に思います。安全第一で、充実した滞在をお楽しみください!