インドに住んで人生観が変わった話

ナマステ!元インド留学生のkanaです。

大学生の頃、私は1年間インド・ニューデリーに住んでいました。その後、バックパッカーとして43カ国を旅しましたが、居住者として過ごしたインドは、私にとって特別な場所です。この記事では、その体験をお伝えします。インドの魅力が伝わると幸いです。

記事の監修者

こんな人におすすめ!

  • これからインドを訪れる予定の人
  • インドのローカル生活がどんなものか知りたい人
  • 「インドで人生観が変わる」という話を聞いたことがあり、具体的な体験例を知りたい人

インドのリアルな日常を通して、価値観がどのように変わっていくのか、私がローカル生活の中で体験した具体的なエピソードを通じてお伝えします。

インドに住むまでの経緯

インド行きを決めた理由

インド行きを決めたのは、大学1年生のとき。田舎から上京し大学生活にも慣れ、もっと刺激が欲しくなった私は「海外に住んでみよう!」と思いつきました。とくにインドは「玄人の国」というイメージが強く、「インドに行けたら世界どこでも生きていける!」「だったらまずはインドに行こう!」と、一足飛びにインド行きを決めました。

今思うと飛躍してますね。笑 送り出してくれた親には感謝しかないです。

始めてのインドはツアーで

これまでに体験したことのない、頭をブチ抜かれたような衝撃体験。それが私の初めてのインドでした。いきなり住むの不安だったので、まずは旅行で様子を見ようと「地球の歩き方」のツアーに参加。たった10日間の滞在でしたが、カオスとエネルギーに満ちたインドにすっかり心を奪われ、「観光客としてではなく、もっと深く、生活者としてインドを体験してみたい」と強く感じました。

インドでの生活

インドに住んでいた頃のご近所さん

生活費:月3万円

インドでの生活費は驚くほどリーズナブル。求める生活水準にもよりますが、ローカル生活を送るには、月3万円で十分でした。お得感満載です。

  • 家賃:1万3千円
  • インターネット・携帯電話:5千円
  • 食費・交通費:1万2千円
よくランチを食べていた食堂
ランチプレート。140円くらい。お気に入りの1つ「シャヒパニール」

インド人との交流

女の子とルームシェア

住んでいた部屋。壁には推しの神様

私は、パンジャブ州から働きに来ていた女の子とルームシェアしていました。彼女は仕事が終わると毎日6時頃には帰宅し、家でテレビを見たり、家族や恋人と電話をするのが日常でした。夜遊びに出かけることはなく、ほぼ毎日2-3時間の長電話が日常でした。

月680円程度でメイドを雇っていました。床の掃き掃除や洗濯をしてもらっていました。

また、インド人の友達を作りたくて、現地の英語スクールにも通いました。クラスメイトはインド人とアフガニスタン人でした。

食事は毎日カレー?フルーツパラダイスのインド

インドといえば「毎日カレーなの?」と思われがちですが、毎日カレーを食べていたわけではありません。スパイスを使った様々な料理を楽しんでいました。

お気に入りの1つ「ラジマライス」

インドはフルーツの楽園でもあります。マンゴーが3~4個で100円、スイカが1玉20円くらい、パパイヤも同じくらいの値段で毎日新鮮なフルーツを楽しんでいました。

よく利用していた移動販売

日本ではなじみの薄いライチも、路上の移動販売で手に入ります。フルーツ好きにはたまらない環境です。

山積みのライチ

インド文化を体験

豪華すぎる結婚式に参列

友人を通じて、インドの大富豪の結婚式に参列する機会もありました。豪華絢爛な結婚式の様子は、インド映画のセットのようでした。

サリーを仕立ててみた

インドで過ごしている間に、20歳の誕生日を迎えました。記念にサリーを仕立てました。

8〜10メートルの1枚の布を巻きつけてきます。慣れないと難しいです。タージマハルに行った時、入り口で止められたので何かと思ったら、警備の女性が着付けをしてくれました。

インドの日常衝撃体験

日本からインドに訪れると、衝撃的なことの連続です。住んでいるとすぐに日常として慣れますが。

そこら中にいるノラ牛と、鳴りやまないクラクション

街中を歩くと、ノラ牛が悠然と道の真ん中に立っているのをよく見かけます。神聖な存在として扱われる牛たちは、交通の一部として人々に避けられながらも、堂々とその場を占めています。この独特の共存は、インドの文化を感じさせます。

また、インドの街では、車のクラクションが鳴りやまないです。信号待ちや渋滞中でも、運転手たちは周囲に警告するようにクラクションを鳴らし続け、交通のカオスを演出しています。

停電・断水は日常茶飯事

停電や断水は日常茶飯事で、特に雨季には頻繁に発生しました。停電すれば当然インターネットも使えません。そんなときは、ロウソクを灯して本を読んだり、ベランダで夜空を眺めて過ごしました。空気が汚れていて星はあまり見えませんでしたが。それでも、そうした環境を楽しんでいました。

空気が汚くて鼻水が真っ黒になる

インド滞在中最初に驚いたのは、空気の汚れで鼻水が真っ黒になったことです。さらに、汚れた空気から身を守るために、鼻毛や体毛が早く伸びるのを感じ、生命の環境適応力に感動しました。

立ちしょんの壁

デリー大学の壁画アート

毎日徒歩で通勤していましたが、途中に「たちしょんの壁」がありました。道端のただの壁ですが、毎日そこでたちしょんをしている人たちがいます。最初は驚愕でしたが、「インドの日常」としてすぐに受け入れられるようになりました。

昼も夜も暑い。生産性下がるの納得。

デリーの夏は50度にも及び、とにかく暑い。私の部屋にはエアコンはなく、夜も暑くて睡眠の質は最悪でした。昼間に道端の日陰やリキシャでお昼寝している人たちをよく見かけましたが、暑くて暑くて働く気力も失せます。

インド人の「今世は無理」「日本に生まれてラッキーだね」

日常会話で「今世」「来世」をナチュラルに言う

同世代のドライバーに、私がインドからドバイ旅行をした話をした時の話。彼に「僕は今世は無理だから、来世で日本に行ってみたい」と言われて、なんとも言えない気持ちになりました。

ガンジス川で沐浴する人々

また、日本好きの女の子が、「前世では日本人だったから日本が好きなのかも」と話していたことも印象的でした。インド人と会話していると、未来や前世という概念が生活に溶け込んでいるように感じました。

「日本に生まれて、君はラッキーだ」

「日本に生まれて、君はラッキーだ」と言われ、普段意識していなかった日本の恵まれた環境に気づかされました。医療、教育、安全性が高く、パスポートは世界最強。193カ国にビザなしで行ける日本のアドバンテージを活かさないのは、もったいないと強く感じました。

必要十分の合理的なインド

インドの日常はカオスながらも、時々合理性を感じる場面があり強烈な感銘を受けました。

ドアが外れたままのバスが走ってる

インドでは、ドアが外れたまま走るバスが珍しくありません。乗客たちは平然と乗り降りします。目的地に着きさえすればいいのです。

バスタブもなければシャワーすらない

多くのインドの家庭や宿泊施設では、シャワーを使わずにバケツ1つで体を洗うのが一般的。水資源を無駄にせず、必要な量だけを使うこの方法は、シンプルで非常に合理的。余分な設備も必要ありません。

バイクに家族4人乗り

インドでは、バイクに家族4人が乗っている光景をよく見かけます。父親が運転し、母親が後ろに座り、2人の子供が器用に挟まれているのが一般的です。日本では驚かれるかもしれませんが、これがインドの日常です。車を買うよりも安価で、小回りもきくバイクに家族4人で乗るのが、必要十分でとても合理的に思いました。

乗り合いタクシー

客を呼び込む人たち

インドでは、タクシーに複数の人が乗り合わせるのが一般的。料金を分け合うことで、移動コストを抑えとても合理的。日本のタクシー乗り場では、同じ行き先を募るのを見かけたことがないし、自分もやったことはないです。

まとめ:生きづらさからの解放。自然体で生きるインドがすき

日本では「ちゃんとしなきゃ」という無言のプレッシャーがあり、生きづらさを感じることがあります。しかし、インドには「ありのままでいい」という雰囲気が漂い、誰も他人を気にしません。街中に野良牛や野良犬、人が道端で寝ていても、全てを包み込むような大きな包容力があります。この自由でリラックスした空気が私は大好きです。ぜひインドに訪れて、その魅力を感じてみてください。