知られざる東インド料理:ベンガル料理とは?

ナマステ!元インド留学生のkanaです。

インド料理の代表的なメニューといえば、やはりカレーとナンが思い浮かびますよね。最近では、南インドのさらっとしたカレーとライスも人気がありますが、インドは広大で、料理も多彩です!この記事では、東インドの「ベンガル料理」を取り上げます。定番のインド料理とは違った味わいを試してみたい方は、ぜひチェックしてみてください!

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ベンガル料理とは

ベンガル地方はインド東部に位置し、西ベンガル州とバングラデシュを含む地域です。豊かな文化と歴史が息づくこの地は、独自の料理や音楽、芸術が魅力です。ベンガル料理は魚介類をふんだんに使い、スパイスとともに甘みや酸味を絶妙に組み合わせるのが特徴です。

ベンガル料理の特徴を紹介する前に、まずは北インド料理と南インド料理の特徴を簡単にご説明します。

北インド料理の特徴

北インド料理は、以下のような特徴があります。

  • クリーミー:生クリームやヨーグルトを使い、リッチな味わい
  • パンと食べる:ナンやチャパティが主流
  • 温かみのあるスパイス:ガラムマサラ、クミンが多用される
  • 肉料理が豊富:チキンやラムがよく使われる

日本で代表的なインド料理の1つ「バターチキンカレーとナン」は、北インド料理のスタイルです。

南インド料理の特徴

北インド料理に対し、南インド料理は以下の特徴があります。

  • ココナッツベース:ココナッツミルクを使用し、さっぱりとした味
  • 米・揚げパン・ドーサ: カレーはライスや揚げパン(プーリー)と食べる。ドーサ(クレープのような生地にじゃがいもなどの具が入ったもの)もある
  • 辛味と酸味::タマリンドやカレーリーフで酸味とスパイシーさが特徴
  • ベジタリアン料理が豊富:豆や野菜を使った料理が多い。

ベンガル料理の特徴

魚料理の宝庫

ベンガル料理といえば、魚料理。ガンジス川とベンガル湾に囲まれたこの地域では、豊富な魚介類が食文化の中心を担っています。特に有名なのが「ヒルサ(Hilsa)」という魚。脂がのったヒルサをマスタードソースで煮込んだ「Shorshe Ilish(ショルシー・イリシュ)」は、ベンガル料理の代表格です。マスタードのピリッとした風味が、魚の旨味を引き立てます。

スパイスの芸術

インド料理といえばスパイスですが、ベンガル料理では特に「パンチフォロン(Panch Phoron)」という5種類のスパイスが頻繁に使われます。フェヌグリーク、フェンネル、ナイジェラ、クミン、マスタードの5つを混ぜ合わせたこのスパイスは、独特な香りと風味を持ち、ベンガル料理に欠かせない存在です。ベジタリアン料理では、野菜の自然な甘みを引き立てます。

ごはんもパンも食べる

ベンガル料理では、ご飯を中心に食べることが一般的ですが、揚げパンも定番です。ベンガル風のカレーや豆料理と一緒に食べます。

チーズベースのスイーツ

ベンガル地方のスイーツで特に有名なのが「ロシュゴッラ(Rasgulla)」と「サンドイッチ(Sandesh)」。これらのスイーツは、チーズをベースにしたものが多く、柔らかな食感と優しい甘さが特徴です。ロシュゴッラは、シロップに浸された白いボール状のスイーツで、一口食べれば、ジューシーで爽やかな甘みが広がります。サンドイッチは、さまざまな風味のペーストを加えた柔らかなチーズケーキのようなものです。

酸味の妙

ベンガル料理の特徴のひとつに、酸味が加わることがあります。「トカ・ダル」というレンズ豆のカレーには、トマトやタマリンドが加えられ、酸味とスパイスのバランスが絶妙です。また、魚や海老を使った「マチェル・タク」などの料理にも酸味が加わり、爽やかさを演出しています。

 
kana
マスタードやタマリンドを使う点が、北インド料理に比べて特徴的ですね!

代表的なベンガル料理

代表的なベンガル料理について解説します。

バジ(Bhaji)

バジとは、ベンガル地方で一般的に食される炒め物のことを指します。野菜や魚介類、豆類を使用し、スパイスでシンプルに炒めた料理です。食材自体の味を引き立てるため、調理法はシンプルで、マスタードオイルを使用することが多いです。食卓での脇役として、主菜やダル(豆カレー)と一緒にいただくことが一般的です。

ボルタ(Bharta)

ボルタは、食材をマッシュしてスパイスや香味油と和えた、ペースト状の料理です。ベンガル料理では、野菜や魚を火で炙り、つぶしてスパイスを加えるのが伝統的な調理法です。ボルタは、ご飯と一緒に食べられることが多く、食材の風味がしっかりと活かされています。

ポロタ(Parota)

ポロタ(またはパラタ)は、インド全域で親しまれるパンの一種ですが、ベンガルでは特に「マラマリ・ポロタ」と呼ばれる、層状に折りたたまれたタイプが有名です。薄力粉や全粒粉で作られ、少し噛み応えのある食感が特徴です。ポロタは、ベンガル地方では朝食としてもよく食べられ、「ダル」や「サブジ(野菜カレー)」、あるいはスパイシーな魚や肉の料理と一緒に食べるのが定番です。

ベンガル料理を食べてみた:「トルカリ」(神保町)

神保町にあるベンガル料理店「トルカリ」に訪れました。

ベンガル料理を食べるのが初めてだと伝えると、以下のセットを勧められました。

  • ドス・ミシャリー・セット
  • ボルタ・バジ・キュリ

見た目はインド料理という感じですが、料理名が北インド料理とは全然違います。

ちなみに文字はヒンディー語ではなくベンガル語です。雰囲気はヒンディー語に似ていますが、異なる言語です。

おすすめ①ドス・ミシャリ・セット

ドス・ミシャリー・セット

メニューには、料理の楽しみと注意点が記載されています。

注意点:見た目が同じでも味は1つずつ別々です!

食べ方のポイントは以下です。

  • 辛くないものからスタート
  • ごはん&バジを食べる
  • ビリヤニ&サラダを食べる
  • ごはん&カレーを食べる
  • ごはん&ダールスープ&ボルタを混ぜて食べる
ごろっとチキンの入ったチキンカレー
ビリヤニもお肉がごろっと入っています

カレーもビリヤニも、大きめのお肉が入っていて満足感がありました。

ごはんにカレーをかけて、途中でパパドを散らして食べました。

おすすめ②バジ・ボルタ・キチュリ

こちはらもつひとつのおすすめ、バジ・ボルタ・キチュリ

ボルタ・バジ・キチュリ

食べ方のポイントは以下です。

注意点:見た目が同じでも味は1つずつ別々です!

  • 辛くないものからスタート(バジ&キチュリを混ぜて食べるなど)
  • キチュリにチキンカレーをかけて食べる
  • 辛いボルタをキチュリに混ぜると美味しい
  • スープ、パパドは自由に食べる

食べた感想

ベンガル料理の代表料理「バジ」「ボルタ」を食べた感想です。

バジ:やさしいシンプルな味わい

バジは、辛さが全くなく、スパイスが野菜の美味しさを引き立て、やさしい味わいが印象的でした。シンプルでありながら、スパイスのバランスが絶妙で、野菜の自然な甘みが際立っていました。

ボルタ:濃厚でクセの強い辛味が特徴

ボルタは、汁気のないカレーのように見えて、全く違う風味が広がる一皿でした。驚いたのは、ナンプラーのような独特の風味を感じたことです。実際にナンプラーは使われていないのですが、発酵魚のペースト「シドル」が使われていることがあり、これが発酵したような風味を生み出すことがあります。また、ベンガル料理で多用されるマスタードオイルのピリッとした辛味と独特の風味も、その独特な味わいの一因となっています。

まとめ

ベンガル料理は、スパイス使いだけでなく、発酵食品やユニークな調味料によって複雑で奥深い味わいが楽しめる料理です。この記事を読んで気になった方は、是非試してみてくださいね!

トルカリ(最寄駅:神保町)
https://www.torkari.jp/jp/